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一人で全ての教科を受け持つのは、不可能に近い。
向こうの世界の小学校のように自分の受け持つ学級だけの授業をすればいいのとは違い、ここでは各学級・学年の授業をしなくてはならない。
ただでさえ魔法薬学で手がいっぱいなのに、今のこの状況。
まさしく猫の手も借りたいという状態なのだ。
しかしこの学校の職員ではないロイに、授業を持ってもらうわけにはいかない。
「まぁ何とか頑張りますよ。」
「しかし、雫様……」
教師という仕事をロイも深く理解しているわけではないが、それでも雫が無謀なことをしようとしているのはわかる。
ロイは雫から学級日誌を奪い取り、眉間にしわを寄せた。
「何故そこまで……」
「俺は、あいつらの担任ですから。」
心配げなロイに微笑を見せ、雫はかゆくもない頬をかく。
「まぁ、あいつらがいればの話ですけど。
いないのなら、愁に頼んで元の世界に帰るまでです。」
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