その決意

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そう言って、小さくため息をつく。 「俺がここに来た理由は、あいつらの担任になること。 その生徒がいないのなら、ここにいる理由はありません。」 「そう、ですか……」 きっぱりと言いきる雫に、ロイはどこか寂しげな笑みを零す。 その表情に気付いてはいたが、あえて何も言うことはなかった。 「とりあえず、これから忙しくなります。 すいませんが、よろしくお願いしますね。」 そう言って、話はもう終わりとばかりに教室に向かう。 気がつけば、すでに朝のホームルームの開始を告げるチャイムが鳴り終わっていた。 そのため、廊下には雫たち以外人影がない。 「居ますかね……」 静かな廊下に、ロイの呟きがポツリと零れ落ちる。 「さぁ、どうでしょう。 普通にもう居るかもしれないし、タイムリミットギリギリにくる場合もある。 もちろん、来ないという可能性もありますが……」 .
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