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「アンタそんな事言いながら、実はラッキーだなんて思ってるんでしょッ!!そして、夜になったら私を襲うつもりでしょッ!!そうなんでしょッ!!」
鳳月の理性は崩壊した。
「俺はそんな事も思ってねぇし、俺はお前に手ぇ出すほど女に飢えてねぇ!!」
俺はつい勢いで声を張り上げて言ってしまった。
「それは私に魅力が無いっていうこと!!」
鳳月の理性は完全に崩壊した。
「そういう意味じゃねぇ!!てか話しズレてる!ひとまず落ち着け!!はい深呼吸!!」
「こーほぉーこーほぉー」
「いや、ダースベイダーみたいな呼吸すんなよ!!」
「ひっひっふー」
「ラマーズ法じゃねぇよ!!深・呼・吸・だ!!」
「スゥー、ハー………………ごめんなさい。私としたことが、あまりの驚きに動揺して取り乱してしまったわ……」
深呼吸をして落ち着いたであろう鳳月は、改めて俺の方を向いた。
「……で、それは本当なわけ?」
「残念ながらな」
俺はそういって、ポケットから自分に配られた鍵を取って見せた。
それを見た鳳月は、鍵に記されていた番号が、自分の持っている鍵の番号だと同じだとわかり、落胆した。
「本当に一緒だったなんて……」
「なんかすまない。俺が悪いんじゃないんだが、その……何でもお前の言うこと一つ聞くから許してくれ」
俺は別に悪くはないのだが、罪悪感があり、償いの意を込めてそう言った。
「何でも?……じゃあ私の今から言うことを絶対に守って」
「あぁいいぞ」
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