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「確かに聞いていたけど、俺てっきり兄さんがやってたかと思った」
鬼羅がそう言うと、妹弟全員頷いた。
「俺がそんな事するわけ無いだろ!お前たちは兄を信じないのか!?」
「いや、そりゃあ信じ……」
「私は信じてます!!」
「勿論信じてるよ!」
「信じてます!」
「信……じて……る!」
鬼神シスターズは鬼羅の言葉を遮って言った。
「ありがとう。鬼羅以外は今度寿司食いにいこうな」
「うん!」
「うん!」
「うん!」
「う……ん!」
「何で俺以外なんだ~!!」
鬼羅は涙を流しながら叫んだ。
「……じゃあ、どこからか始まった、家族漫才は止めて、いつもどうりに戻れ」
「はい」
「はい」
「はい」
「はい」
「は……い」
「じゃあ確認をとる。護衛任務にいくのは俺。来年から鳳王学園に通うため、一般生徒として入学する。これでいいな?」
「はい」
「いいですよ」
「いいよ」
「よろしいです」
「了……解」
「それでは、各自解散し、任務がある者は任務に移れ」
「はい」、と鬼姫、鬼羅、舞鬼、由鬼は部屋から出ていき、部屋には鬼心と鬼妃だけが残った。
「ん?鬼妃は任務は無いのか?」
「あるよ」
鬼妃は何故か鬼心と二人きりになった時だけ、普通に話せる。
「じゃあ早く行け」
「いいけど、にぃにぃギュッてして」
「……何でだよ?」
「しないと任務にいかないっ」
「いいから行きなさい」
「絶対やだ!ギュッてしてくれるまで行かないっ」
と、鬼妃はそう言ってそっぽを向いた。
「は~、分かった。こっちこい」
「やった~!」
鬼妃はそう言って、鬼心に向き合うように、座っていた鬼心の膝の上に座った。
鬼心は膝の上に座った鬼妃を
ギュッと抱きしめた。
「ふにゅ~」
抱きしめること1分――
「ほら、もういいだろ。早く任務に行きなさい」
そう言って、鬼妃を抱きしめるのをやめた。
「う~。まぁいっか……」
そして名残惜しそうに立ち上がり――
「じゃあ行ってくるね」
そう言って部屋を出た。
「やっと行ったか。さて、俺はあっちの家に帰るかな」
そう言って、鬼心も鬼神家を後にした。
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