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時は過ぎ、ここは鬼心――またの名を雅心の通う中学校の教室――
そこで、一人の男子生徒の声が学校中に響いた。
「はぁ~!?鳳王学園だって!?」
「そうだけど……」
「そうだけどってお前、あの鳳王学園だぞ!?日本一入るのが難しいと言われる超難関校だぞ!!」
そう、鳳王学園とは日本一の超難関校で、勉強、運動、また特別な才能などが突飛していないと入れない。
しかも、入学費、授業料などがバカ高い為、その分設備、セキュリティーは最高にいいが、入学者の六割がどこかのお偉い企業のお坊ちゃまやお嬢様、もしくは推薦されてきたエリート達だ。
一般の生徒が入学するなど滅多にしないし、何かに突飛した才能がない限り、ほとんど出来ない。
「まぁ大丈夫でしょ。元気があれば何でもできる!!」
「できねーよ!!大体、勉強も運動も普通なお前が受かるわけねぇだろ!!」
「まぁ頑張るさ。それにもう願書先生に出しちゃったし……」
「は?馬鹿だろお前絶対馬鹿野郎だよ!!」
「馬鹿に馬鹿って言われるほど馬鹿じゃねぇ!」
「俺はお前以上に馬鹿じゃねぇ!大体もし受かったとしてもお前家金あんのかよ?」
「あるでしょ。じゃなきゃOKしないだろ」
「お前家の親も相当馬鹿だな。なんでわざわざこんな超難関校を受験すんのOKしたんだよ……」
「まぁ親が馬鹿なのは否定しないが、まぁせいぜい落ちないように頑張るよ」
「まぁ落ちて浪人人生を歩め。一応応援してやるよ」
「サンキュー与壱。絶対受かるように頑張って勉強するよ」
「まぁ無駄な努力だと思うがな」
「ははっ……まぁ頑張るよ」
しかし、雅心に頑張る必要などない。
雅心は普通な生徒となるべく、勉強も運動も平均になるようにコントロールしていたからだ。
雅心の運動能力は、裏で殺し屋をやっているため、超人的な身体能力を誇っている。
学力は既に大学院卒業レベルまでいっているため、何も問題ない。
テストでいつも平均だったのは、そうなるように操作していたからだ。
そして学校が終わり、雅心はいつもどうりに一人で家へと帰った。
◇
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