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怜璃は掴んでいた服を強く握り締め、唇を噛み締め、涙を流す…
自分が悪いのに…
雅心は全然悪くないのに…
雅心は責任を感じて…
辞めようとしている…
自分が…
すべて悪いのに…
怜璃は罪悪感と、雅心に辞めて欲しくないという気持ちで……怜璃は涙を流した……
「確かに……お前の言うとおりかもしれない……だけど俺は……」
「アンタが良くても私が駄目なの!!鬼姫さんじゃなくて……鬼妃さんじゃなくて……私はアンタがいいの!!アンタじゃなきゃ駄目……なの」
怜璃は掴んでいた服を離し、ぽろぽろと涙を落とす…
「ごめん……俺が間違ってたかもしれない……そいだよな……守り通さなきゃ……駄目…だよな。」
そう言って、雅心は泣いている怜璃に視線を合わせるため、腰を下ろす…
「ごめんな怜璃……俺に……お前を守らせてくれないか?」
と、怜璃に笑顔で囁く…
「バカ……いいに決まってんでしょ……」
怜璃は涙を拭きながら、雅心に言う。
だが、怜璃の涙は止まらない…
立ち上がった雅心は、そして、そっと怜璃の頭を、自分の胸に押し付ける……
「ありがとう……もう二度と、お前にこんな思いはさせない……」
雅心は再び決意し…怜璃の頭を抱き締めた……
◇
「もう大丈夫……ありがとう」
一時間後、泣き止んだ怜璃は雅心にそう伝え、雅心から離れる。
怜璃が泣いていた場所は、涙で濡れていた。
「ごめんな鳳月。今度こそは、絶対にお前を守るよ」
「絶対に守りなさい……何があっても、私から離れないで……」
「あぁ……離れないよ」
その後、夕食を食べていなかった為、お腹の空いた二人は、朝食を食べに食堂へと向かった。
◇
食堂に着いた後が大変だった。
今回の事件並みに…
昨日連絡もしないで、怜璃のそばに居たため、珀奈との約束を守ることができず、珀奈は自分が嫌われたのではないかと、雅心を見た瞬間に声を上げての大泣き。
これを止めるのに、朝食の時間を丸々潰してしまい、雅心は物凄い空腹の状態で、授業を受けることになった。
まぁ珀奈は毎日一緒に勉強をするという条件で、泣き止んでくれた。
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