хⅩⅤх~嵐の前の静けさ~

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    怜璃は掴んでいた服を強く握り締め、唇を噛み締め、涙を流す…     自分が悪いのに…     雅心は全然悪くないのに…     雅心は責任を感じて…     辞めようとしている…     自分が…     すべて悪いのに…     怜璃は罪悪感と、雅心に辞めて欲しくないという気持ちで……怜璃は涙を流した……     「確かに……お前の言うとおりかもしれない……だけど俺は……」     「アンタが良くても私が駄目なの!!鬼姫さんじゃなくて……鬼妃さんじゃなくて……私はアンタがいいの!!アンタじゃなきゃ駄目……なの」   怜璃は掴んでいた服を離し、ぽろぽろと涙を落とす…     「ごめん……俺が間違ってたかもしれない……そいだよな……守り通さなきゃ……駄目…だよな。」   そう言って、雅心は泣いている怜璃に視線を合わせるため、腰を下ろす…     「ごめんな怜璃……俺に……お前を守らせてくれないか?」   と、怜璃に笑顔で囁く…     「バカ……いいに決まってんでしょ……」   怜璃は涙を拭きながら、雅心に言う。     だが、怜璃の涙は止まらない…     立ち上がった雅心は、そして、そっと怜璃の頭を、自分の胸に押し付ける……     「ありがとう……もう二度と、お前にこんな思いはさせない……」   雅心は再び決意し…怜璃の頭を抱き締めた……              ◇       「もう大丈夫……ありがとう」   一時間後、泣き止んだ怜璃は雅心にそう伝え、雅心から離れる。     怜璃が泣いていた場所は、涙で濡れていた。     「ごめんな鳳月。今度こそは、絶対にお前を守るよ」     「絶対に守りなさい……何があっても、私から離れないで……」     「あぁ……離れないよ」     その後、夕食を食べていなかった為、お腹の空いた二人は、朝食を食べに食堂へと向かった。              ◇       食堂に着いた後が大変だった。   今回の事件並みに…     昨日連絡もしないで、怜璃のそばに居たため、珀奈との約束を守ることができず、珀奈は自分が嫌われたのではないかと、雅心を見た瞬間に声を上げての大泣き。     これを止めるのに、朝食の時間を丸々潰してしまい、雅心は物凄い空腹の状態で、授業を受けることになった。     まぁ珀奈は毎日一緒に勉強をするという条件で、泣き止んでくれた。    
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