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まぁ……ものすんごい気まずかった。
久しぶりの家族全員そろっての食事。
兄貴のやろう……ことごとく鬼姫や舞鬼の質問を無視して、俺だけに話しかけやがる……
鬼妃は鬼妃で、いつもと変わらず、俺の膝の上で飯を食っていたんだが、兄貴が「ふん。だから弱いんだ」と呟くと、暗い顔をして、俺の膝から降りた。
まぁ……気まずかった。
結局、後半は家族の会話は一切消えたよ。
まぁそんなわけで、食後はさっさと風呂に入って寝たよ。
◇
夜、俺は目が覚めた。
いかんいかん。
いつも、この時期はゆっくり休めないな……
はぁ……こんな寒い時期に、夜目が覚めるってつらい。
てゆうか、寒い。
ココアでも飲も……
そう思い、鬼心が居間の方へ行くと、先客がいた。
怜璃だ。
「なんだ?お前も目が覚めちまったのか?」
居間で、レモンティーを飲みながら座っていた怜璃に言った。
ちなみに、純和風一家にココアやレモンティーがあるのかと言うと、お茶系が好きな由鬼が、何かと買ってきているからだ。
「まぁね。アンタ、勝ったのよね?」
「まぁな」
「私の為……だったんでしょ?」
「まぁな」
「……ありがとう」
そう呟いて、怜璃はレモンティーを飲んだ。
ふと、時計を見ると、短い針は二時をさしていた。
もう……12月25日か。
「誕生日おめでとう……怜璃」
この日に……確か俺達は初めて出会ったんだっけな。
「え?なんで知ってるの?」
怜璃は意外そうに、驚いたように、レモンティーを飲むのをやめ、鬼心を見た。
「まぁな。今日、この日に出会ったんだろ?初恋の金髪少年に」
「そうだけど……あの人に聞いたの?」
「まぁ……な。一つ聞いていいか?」
「いいわよ」
「お前は……お前は"アイツ"にもう一度会うことがあったら、お前は自分の思いを、"アイツ"に伝えるのか?」
「なっ///ななな何言ってんのよ!!///あっちは私なんて忘れてるわよ!それに……私は……」
最初は顔から火が出そうなくらい顔を赤くしていたが、何を思ったのか、顔を沈め、何かを考えだした……
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