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鬼神家から消えた二人は、鬼神家の山のふもとに現れた。
「鬼心、お前あの小娘に何渡したんだ?」
「ちょっとしたイヤリングだよ。"あの人"の好きな水色の宝石のな」
そう、鬼心が怜璃に渡したプレゼントは、イヤリングだった。
水の雫のように加工された水色の宝石が付いた、美しいイヤリングを。
「ふん、まぁいい。じゃあ行くか。"あの場所"へ」
「そうだな……今年くらいは"ニクロ"は来るかな?」
「さぁな。アイツは自由、気ままで、奔放な奴だからな。気が向かなきゃこないだろ」
「だな」
その後、鬼心と皇鬼は消えた。
◇
一方、鬼心と皇鬼が消えた直後の鬼神家では、ちょっとした騒ぎが……
「兄さんが蛇神の女なんかと『友達以上ぎりぎり恋人な関係』ってなんですか!」
「流石に今回だけは、私も聞き捨てなりませんね」
鬼姫と、珍しく由鬼はプンスカしている。
「あの…女…いつ…か…殺す」
普段の口調に戻った鬼妃も、ものすんごくプンスカしている。
「兄ちゃんめ。俺という存在がありながら……」
舞鬼も、拳を握り締めてプンスカしている。
「私に内緒で、女をつくるなんて……。絶対に許さない」
魅鈴は、爪を噛み締めながらプンスカしている。
そんな女達とはうって変わって、怜璃は鬼心からもらったプレゼントをみていた。
「綺麗……それに、この石は……」
鬼心からもらったプレゼントは、イヤリングだった。
イヤリングは、銀で作られており、イヤリングには《REIRI HOUDUKI》と刻まれていて、そして、イヤリングには水の雫を模様した水色の透き通った、美しい宝石が装飾されていた。
「この石……私のネックレスに付いている石と、同じ石じゃない。なんでアイツが?」
怜璃にはまたもや疑問が残る中、結局鬼心が帰ってきたら尋問するということでまとまった女達は、今夜のパーティーの為のドレスを買いに行った。
ちなみに、鬼神家の姿は目立つので、鳳王家の人達と一緒に買いに行くことになっている。
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