хⅩⅧх~"あの日"~

8/8
19872人が本棚に入れています
本棚に追加
/432ページ
    とある丘の上――     そこには葉が一枚もついていない桜の木があり、その根元には、何かが刻まれている石があった。       そんな場所に、鬼心達四人はそこに立っていた。     ここは、昨日鬼心が来た場所だった。     一応言っておくが、デートの内容を言うなどと無粋なマネはしない。     そんなことより、今からのことが大事なのだから……       「また来ましたよ。今度はみんなで。そして、また来ましたね。あなたが死んだ日が」   そう言って、鬼心は石の前にひざまずく。     他の三人は、鬼心の後ろに立っている。     「毎年言いますが、あなたは酷いですよ。面倒事ばかり俺達に押し付けたまま死ぬなんて……。いや、勝手に!自分勝手に!俺を操って!……殺させるなんて酷いマネなんか、しないで下さいよ……」   鬼心は涙を流しながら、石に訴える。     「そうだよ。あなたは酷いよ。私の鬼心ちゃんに酷いマネなんかさして、私は一生あなたは許さないよ?まぁ、あなたには感謝しています。あなたが私と鬼心ちゃんを結び付けてくれたことはね」   虹蛇は、柔らかい笑顔で石に言う。   「てめぇは最低だよ。俺との勝負をないがしろにしたまま殺されやがって。まぁ、毎年言ってることだが、俺はアンタという強者に会えたことを感謝してるよ」   皇鬼は腕を組ながら、石に向かって言った。   「あぁ、私は特にないが、あえて言わせてもらうなら、貴女のような"天然記念物並みの化け物"に会えたことを感謝しているよ」   黒猫は、普段と変わらない口調で石に向かって言った。     「まぁそうゆうことです。みんな毎年同じことを言っていますが、鬱陶しいと思わないで下さいよ?アナタが"全て悪い"んですから。いや、"アナタと俺"が全て悪いんですから。それでは最後に……                         愛してます。   そして、また会いましょう――」       そして、鬼心、皇鬼、虹蛇、黒猫は、丘から立ち去った。           鬼心の言う"あの人"……     その"あの人"が、本当のх鬼心伝хのきっかけと知ることは、遠くない未来で知るだろう。     そして、"あの人"がまだ鬼心達を"巻き込み続けている"ことを、同じく近い未来で知ることとなるだろう――     х鬼心伝х~END~          
/432ページ

最初のコメントを投稿しよう!