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生徒会室を出た雅心と怜璃は今、寮に向かって歩いている。
「しかし、アンタがそんなに凄い立場だとは思わなかったわ」
と、怜璃は雅心の地位の高さに驚いていた。
まさか、六王の鳳王家の当主と対等な立場だとは思っていなかったようだ。
しかし、それもそのはずである。
基本的に《裏》の情報が《表》に出ることは無い。
故に、四神の事は《表》でも、上層部の人間しか知らない事なのである。
「まぁな。はっきり言って、俺はめちゃくちゃ若くして副頭領になったから、あんま実感わかないんだよな。」
と、うっすらと笑いながら言った。
「めちゃくちゃ若くしてなった、って何歳でなったのよ?」
「う~ん、親"達"が殺されたのが俺が七歳の頃だから、その位からだ」
と、暗い話なのにもかからわず、明るく言った。
「ごめんなさい。私知らなくて…」
と、怜璃は自分が辛い事を思い出させてしまったのだと思い謝った。
けど、今アイツ親"達"って言ったわよね…
「気にすんな。あんま、あの親"達"には思い出がないから」
やっぱり、親"達"って言ったわね…。何かあるのかしら?
雅心は怜璃が思い詰めた顔をしていたので…
「気にすんなよ?俺は大丈夫だから」
と、声を掛け怜璃の頭をクシャクシャし、走って寮へと向かった。
クシャクシャされた怜璃は怒り、「待ちなさい!!」と言って、雅心を追いかけ、走って行った。
その時に怜璃は、考えてた事を止め、雅心を追い掛けた。
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