хⅡх~"本当"の日常~

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雅心は今、一軒の古風でとても大きな日本屋敷の門前にいる。 戦前に建てられたこの屋敷は、とても頑丈な作りで、そして広い敷地を囲む高い塀、そして立派な門が構えていた。 門に立て掛けられている板には―― 《鬼神家(オニノカミケ)》 そう書かれていた。 雅心が門を押し開き、中へ入る。 石畳を歩いて奥の母屋に進み、玄関の両脇にいる、スーツ姿に黒のサングラスのいかにも、ヤクザといった格好をした男に目をやった。 「そこの餓鬼何してる!勝手に人の家に入るな!」 そう男は、雅心に怒りの形相で雅心を怒鳴った。 「あんだと」 雅心は殺気を放ちながら、怒鳴った男を睨んだ。 「こ、ここは鬼神家の土地だぞ!!鬼神家の者以外は立ち入り禁止だ!!門に立て掛けられた板が見えなかったのか!!」 男は雅心が放った殺気に驚きながらも言った。 「俺は鬼神家の者なのだが」 殺気を込めた低い声で言った。 「お前のような餓鬼は鬼神家には居ない!!」 「何を言ってる?ちゃんと良く俺の顔を見ろ」 「何度見ても同じだ!!お前のような餓鬼は鬼神家には居ない!!いい加減にしないと殺すぞ!!」 「何んだと!?もう一度この顔をよく……」 男の態度に怒りが爆発しそうだったが、ようやく気付いた"今"の自分の顔に…… 「あぁすまない。こんな顔じゃ分かるはずが無いな。今から顔を"戻す"」 そう言うと、雅心は自分の顔に手を当てた。 すると、雅心の顔はゴキゴキと音をたてて顔が変化し、髪の色が黒から銀色に変わり、美しいもしくは、格好いい顔になった。そして身長も170センチから180センチ弱くらいになった。  
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