標的

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かたんと椅子を引くと、翔はそのままこちらを向くことはなかった。 俺たちも席へ帰る。 「二岡…か」 響輔が考えながら呟いた。 「なんだ??どうしたんだよ」 「いや、あいつ確か湖北中の天才ガードって言われてた奴だよ」 「湖北中??」 「ああ、そんなに強いところではないけど、あの二岡がきてからは県予選落ちが県大会ベスト10には入るようになったんだよ」 「だから天才、か」 しばらくして放課後になった。体育館に行くと今日も先輩たちが練習していた。が、翔の姿はない。 「お…彩人、響輔、着替えてこいよ。こっちだ」 神崎先輩に案内されて男子部室で着替えをすることになったが、部室の前までくると中で声がした。
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