material memory《物質の記憶》

鳥川興の大冒険

空は青い。雲は白い。氷は冷たい。石は固い。

こんなのは常識だ。

もちろんそれらのものは意思をもってはいない。だから話す事などできるはずはない。生きてはいないのだから話す事などできるわけがないのだ。

実際にそれらのものとベラベラ話していたらあなたは必ず引くだろう。もしくは即携帯を取り出して警察に『変質者がいます』の一言だろう。そしてその人はどっかの精神病院に連れて行かれ、優しく話しかけるられるのがオチだ。

そもそも物質とはなんだろう。そんなもんまじめに考えた人は余りいないだろう。物質とは物体を形成している実質であり、空間にあってその存在を知ることができるものをさす。

つまりあなたがこれは～だ。と分かるもの。実際に体で感じられるものが『物質』なのだ。

石と話ができるわけがない。
机と話せるわけがない。
マイクが勝手に歌い出すわけがない。
間違いない。

………さて、それは本当に事実だろうか。そんなことがあるわけがない。ある分けないはずなのだ…。