鳥川興の大冒険

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『さっさとずらかるぞ!』 男たちが退散しようとすると急に地面が揺れ始めた。 『ん? 地震か?』 『ああ。地震だな』 しかし、地震は止みそうにない。それどころかますます大きくなっていく。 『お、おい! なんか地震が大きくなってきてねぇか!?』 『ああ、こ、こんな地震初めてだ!』 地震さらに大きくなる。もはや立ってはいられない。空が澱む。地面が唸り始めた。 オオオオオッ! 『おい。なに変な声出してやがんだ!』 『え!? 兄貴じゃないのか!?』 『ばか野郎! 俺が叫ぶかよ!』 『じゃ、じゃあ誰が!?』 『地面だ! 地面が唸ってやがる!』 地面の唸りが強くなる。鼓膜が破れそうである。 『う…うるせー!』 『み、耳が…耳が痛い!』 空はさらに黒く、地面はさらに強く揺れ、さらに強く唸った。そしてとうとう地面が割れ始めた。 『うわ! アブねぇ!』 『な、何が起こってやがんだ!』 『もうダメだ! 地球の最期だ!』 『ん? なんだ!? 地面が割れた所から何がでてくるぞ!?』 『お、おい…冗談だろ!』 『うわ! やめろ! やめてくれ! もう犯罪なんかやらない! だから…』 『こいつ! 離れやがれ! こいつ! こい…ウグッ…ギ…ギャアアアアアアアアアアァァァァ……!!』 『う…うわあ! や、やめてくれ、やめ…ギャアアアアアアアアアアァァァァ……!』 ある晴れた日の午後に起こった事件。そして…
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