material memory《物質の記憶》

少年

あの事件から１７年後…

『興ー！　いつまで寝てるのー？　もう朝の７時よー！』

興『うん！　分かってるよ、母さん！　時間割してたら遅くなっちゃって！』

母『もう！！　時間割は昨日のうちにやっておきなさい！　だからいつも遅刻ギリギリなのよ！』

興『うんうんうんうん！　分かったって！ああ！　時間がない！　朝ご飯はいらないや！　じゃあ行ってくる！』

母『はいはい！　車に気をつけて…ってあんた今日体育あるんじゃなかったっけ？　体操服は？』

興『ああ！　もう！！』

母『体育服はベランダに干してあるわよ！』

興『ﾊｲﾊｲ………』

○

興『行ってくる！』

母『はい！　行ってらっしゃい！』

少年の名前は鳥川興。母親はバツ１で、興が幼稚園の頃に夫の浮気が原因で、夫を箒で追い払った。

そして今の父親鳥川優と再婚した。興は今の父親に不満を抱いてはいない。ちゃんと興のことを思ってくれているし、付き合いがいい。小さい頃、よく怪獣ごっこなどで遊んだ。だから興は父親に対し、絶大ない信頼感を抱いている。