一章 お手伝い

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  すると、どこからともなく叶の隣に一人の幼い少年が現れた。 叶より頭2つ分は小さい彼は光に透けキラキラと靡く銀の髪に、目も同色の銀。 少し人間離れした容姿の少年──幸。 「あの作戦、使うの? あの子たち、普通の、子だよ?」 走る叶の横を遅れることなく付いてくる幸は、首を傾げて訪ねる。 「あぁ。あーゆー躾のなってない奴らには、少しお灸を据えてやる」 そう叶が言うと、幸はクスリと笑って、またパッと姿を消した。 「ちびんなよ。糞餓鬼共」 次の瞬間、急に木々達が騒ぎ出した。 まるで嵐のような風が森を包み込む。 「うわぁ!!」 「目が開けられない!」 少年達は口々に声を上げ、腕で顔を覆った。 それが命取りになるとも知らないで──  
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