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『お前は何でそんなに頭が悪いんだ⁉親戚中で一番お前が頭悪いんだよ‼恥じなんだよ‼』
私の中学校2年生の冬に見た通知表にお父さんは怒鳴りグーで二発殴り髪の毛引きずり回した。
『出てけ‼』
そういうと無理矢理ドアまで引きずられ外に出され鍵までしめられた。
私にとってはそんなの日常茶飯事。例えば背筋が曲がってると言っては背中を蹴られ運動会で二位になったからと言っては足にお湯をかけられた。何かとつけては殴られる。
そんなのいつもの事・・きっと二時間位したらママムが家に入れてくれる。大人しく待ってればいいんだ・・
でもね・・その日はもう我慢の限界だったんだよね。
だから私は行くあてもなく裸足のままフラフラと歩きだした。
勝と出会ったのはそんな日だった。
近所の酒屋の前のたばこの自販の横にとりあえず座った。
泣いたら負けだ‼でも痛くて泣けてくる。いつかきっと殴られたら殴りかえしてやる。
そんな事を考えながらなぜか体育座りで座っていた。
『おい‼お前こんな所で何してんの⁉迷子⁉』
そう頭をポンと叩かれた。
ふと顔をあげて見るとガタイがよく髭をはやしたがらの悪い彼がそこにいた。
それが勝だった。
勝を見た時この人ならお父さんに勝てるんだ。絶対助けてくれる。
きっと私の幼いながらの希望の光だったんだろうね。
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