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『お前・・俺に似てるよ』そう勝はぼそっと呟いた。
『今日は家に帰りな‼送ってやるよ‼ママが心配してるよ・・道案内しろ‼』そう言って勝は『右⁉左⁉』と聞いてきた。
『帰らないよ‼どっか連れてってよ‼捨てていいから』
『バカ‼お前ママは心配してるよ。だから今日は帰るんだよ。』と勝は優しく答えた。
ママが心配してるよ・・その言葉に私は弱かった。ママムが大好きだったから。
結局家に帰る事にしたけど・・寒空の下裸足の私が歩けた距離なんてめちゃ近い。車じゃ笑える距離。
勝も家の前に着くと『そうだよな・・お前裸足だもんな。お前2中か⁉』
『そうだよ。2中だよ。』
『俺も2中出身‼そっか・・また会おうぜ‼俺は勝。歳は22‼』
そう言って私を降ろした後『じゃあな』と言ってクラクションを鳴らした。
勝と私の出会いはあの頃の私にはとても幸せな出会いに思えた。これから坂道から突き落とされる事も知らずに・・
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