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中学校二年生・・冬休み。世間は受験生。
私は勉強する事もなく三歳歳上の章の家に遊びに行く。
章は赤ギャンというチーマーに入っていた。喧嘩は空手をやっていたしとてつもなく強かった。
私の地元はいわゆるチーマーが多く夜な夜な集会が開催されていた。
私もお父さんが仕事が遅くなる日は必ず遊びに行っていた。
私はまだ学校にはちゃんと行ってたし成績もそんなに悪くはなかった。
外見はというと髪をブリーチで染めてたしピアスも鼻にあけてたけど・・
章と私の関係は私のお兄ちゃん見たいな存在で章には何でも話せた。
『またお父さんに殴られてさ‼見てよ‼この顔』といつもの愚痴からスタート。
『見たらわかるよ‼ってかお前の親父本当にあり得ない位殴るよな・・ピッコロかよ⁉』と笑いながら煙草を吸った。下手な同情をしない章の優しさだった。
『何でピッコロ⁉ピッコロはまだ可愛いよ・・』と私は章の煙草を吸いながら答えた。
『ってか何でお前いつもそんな殴られてる時に俺の家に来ないの⁉』って急に真面目に聞かれた。
いつもの質問・・私はいつもこう答えたんだ。
『だって・・家には入れてもらえるから』
きっと章の家に行ってしまうと帰りたくない・・でも帰らなきゃ行けない・・そんな虚しさに陥る自分がわかっていたから。
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