白雪

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
――――今日も窓の外は雪が降っている。今日で何日目かな?これだけ降ったら人間動く気をなくしちまうんじゃねぇか?―――― 真っ白な布団がかかったベッドの中にニット帽を被った男が寝ている。男は冷めたい瞳で窓の外を眺めている。 スライド式の大きな扉が横に開く。 「こんにちわ。調子はどうかしら?」 白い服を着て白いキャップを被った女が扉を開けて男に話しかけた。 「えぇ、今日はなんだか楽ですね。」 男は窓から白い服の女に顔を向け答えた。男は自然と笑顔になった。 どうやら白い服の女は看護師のようだ。 「なにかいいことあったんだ?」 看護師は笑顔の男に微笑みながら聞いた。 「あの頃を思い出しました。懐かしいな…」 男は一瞬目をつむり顔をまた窓に向けた。そして、目を開き窓の外をまた見つめはじめた。 その瞳はさっきより冷たく白さがないと言えるほど黒く染まっている…ように看護師は窓に反射して写る男を見て感じた。 ――――お前と出会ったのもこんな雪の日だったな…なぁ?メグ…?――――
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!