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それから数年後。
『今日なんだよな…緊張する…』
『そうだね。卒業式だよ。』
その言葉で数年前のことを思い出した。
心の中で、あの頃の自分の悩みを思い出して苦笑する。
『そうだな。卒業式だ。行こうか神谷 美咲さん?』
『うん。』
あれから卒業をいくつも越えて来たけれど、美咲の言葉が俺の心からピンセットで棘を抜き取ってくれた。
ありがと美咲。
そう半歩前を歩く美咲の背中にそっと呟いて、二人で結婚式と言う名の卒業式へ向かった。
卒業後の明るい生活を胸に描きながら…
case1 神谷 明人
―完ー
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