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結婚はただの政略でしか無い。
それもまた、私には堪え難い。
私はもっと自由に恋愛をしたいのだ。
けど、この閉鎖的な生活では身内以外の異性と出会う事なんてまず無いのだけど。
そういえば昔、初めての外出で迷子になった事があるような……
その時、誰かに連れられて皆の所に戻った気がする……
でもその時の事は、上手く思い出せ無い。
随分昔の事だし、仕方ないか……
「雨、止まないかな……」
私は小説に栞を挟み、床に作った隠し本棚に仕舞う。
勿論、本棚は言霊を使って作った物だ。
折角の才能なのだから、惜しまず使わないとね。
ちょっとベクトルが違う気もするけど……
「まあそれは置いとくとして…暇だなぁ――…やる事無いのは苦痛だよ……」
私は学校に行って無いから、宿題なんて無い――訳では無い。
学校に行って無いなら行って無いなりの教育は受けている。
裏の世界を支配する組織の頭首になるのだから、当然一般常識や政治経済、英語や中国語等など様々な知識を叩き込まれた。
全くもって迷惑な話しだ。
「別に、頭首になんて成りたく無いのに……」
どうして私なんだろう?
確かに強い異能は持ってるよ?
勉強だって出来る方かもしれない……
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