重複人生

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あの時、私の心が言魂に喰われたのは、私が言魂にすがったからだ。 自分以外の大きな力にすがったからだ。 きっと彼女も同じ。 私と、同じように彼女も自分には無い大きな力にすがったんだと思う。 私も彼女も、何も出来ないと決めつけて、何もしなかった。 ただすがっただけだった。 だから私達は然るべき報いを受けたのだろう。 『こんな家、無くなればいいんだ……そうすれば、私は私で居られる!そうだよ!こんな家潰しちゃえばいいんだ!アハハ!!アハハハハハハ!!』 彼女はそう呟き、笑い出す。 それは狂喜の始まり。 私が辿ったかもしれない道。 そうして彼女が堕ちていく姿を、私はただ見つめる事しか出来なかった。
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