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骸骨は、左手を首へ当てた。
空に浮ぶのは、薄く淡い雲の群れ。そして、それに霞まされた満月だ。
なんとも麗しい景色だが、彼は天を見ず、下を向いていた。
目の前には、自分がいる。そして思うのは、少女のことだ。
――それ以外など、どうでもいい。
彼は心の底から、そう思った。
恋は盲目。
骸骨の心は、闇を知らない。光に、愛されていた。
彼は、骸骨。骨の体を持っている。
彼は、愛を知った。見えぬ物など、何もない。
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