6人が本棚に入れています
本棚に追加
ある春の夜、骸骨は病院に入った。
誰もいなく、明かりのない廊下を静かに歩く。好きな歌も、今は歌っていけない。
彼はとある部屋に入ると、一つ置いてあるベッドに近付いた。
そこには、体に布団を、顔面に布切れを被せられた人間がいた。
彼はグンと左手を伸ばし、バッと強く布を剥ぐと、その少女の目玉を取った。
彼は、片手に二つの目を持ち、病院を出る。古びた建物に背を向け、山を登り始めた。
骸骨は、少女の目を自分の目の窪みへ入れた。すると、突然暗くなる。
黒目が、裏側へ向いていたのだ。
しかし、彼は眼球を直さずに、そのまま立ち尽くした。
最初のコメントを投稿しよう!