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「セツ…?ラルトもどういうことなの?」
ラルトは急ぐ足を止めると
セツに銃口を向けた。
「ラルト…?」
アリアは状況が読めず
ラルトの隣で
あたふたしていた。
「あぁ、そうだよ。警備が手薄な日をあらかじめ狙っていた」
「どうして…」
「そうだ。どうしてラルト…お前が…」
「俺はこの地球軍の新しい戦闘機を狙っていた。ある方のために」
「ある方…」
「もっと厳しいものかと思っていたけど以外とあっさりくぐり抜けたもんだな」
「ラルト…」
ドーン
どこかで爆発音が響く。
「ここの爆発も時間の問題だな。お前達はここで仲良く死んでくれ…」
いつものラルトとは違う
残酷な笑みと
冷たい瞳をすたラルトが
そこにはいた。
ラルトはアリアを突き飛ばし
一人で走り出し
X-278へと乗り込む。
格納庫のタッチが開き
X-278は光を浴びながら
空へと飛び立っていく。
ドーン。
二度目の爆発音と共に
アリアたちは爆風で
吹き飛ばされた。
「うわっ!!」
「きゃー!!」
「アリア!!」
セツは咄嗟にアリアを
抱き抱え
爆風からくる衝撃から
守った。
「セツ!!どうしてあたしなんか助けたの!!」
「そんなことを考えている場合じゃない!!とりあえず…ここから脱出しないと…」
セツは脱出口を探そうと
辺りを見渡す。
「セツ…これを…」
アリアは首のチェーンをひきちぎりセツに手渡す。
「これって鍵…?」
セツはチェーンに引っ掛かっている鍵を見て
問いかけた。
「えぇ、そうよ。あの一番奥、奪取された機体より性能がはるかに上の機体があるわ。それに乗ってほしいの」
アリアは薄れる意識のなか
懸命に一番奥を指す。
「この鍵で…LX-307に…」
「うん…わかった。できるだけのことはするよ」
アリアを連れ
セツは奥へと歩き出す。
辺りは次第に
灰色の煙にまかれだした。
「中に入ったのはいいけど、僕運転なんて…」
「大丈夫…。なんとかなるわ」
「(本当に大丈夫かな)」
心配ながらも
戦闘機に乗り込む。
「ラルトを追い掛けましょう」
「う、うん」
セツは鍵をかけ
エンジンをかけると
モニターには初期画面が
表示された。
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