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あれから何を話したのかは覚えていない。
ただ遊華がいった運命という言葉、そして隼斗の存在が気になっていた。
美優は1度家に帰ったが、10時までには帰ると遊華に伝え、
滅多に乗ることのないバイクにまたがり走りだした。
美優は普段バイクで出掛けることはない。
ただある場所に行くときだけ、あの人の残したバイクにまたがり出掛けていく。
遊華も行き先が解っているので、気をつけてねといい美優を見送った。
11月の海岸沿いは夜ということもあり、潮風がいつもより冷たく感じられハンドルを持つ手がかじかんで痛かった。
中型のバイクには似付かない小さな細い体を震わせ、それでも美優は走り続けた。
世界で1番大好きな人に会うために。
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