憂鬱な二月

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学校の制服。 深い緑のブレザーにブラウス。綿製の黒色のズボン。 生地が薄いのかズボンから寒い風が入り、駅のホームで電車を待っている僕の体を冷やす。 「寒いなぁ。今日はいつもより寒い気がする」 しかし寒さよりも今はこの時期になると出てくる話題のほうが僕にとっては寒いと感じる。 ちょうど、僕がそんな事を考えている後ろで女の子達が楽しそうにバレンタインについて話していた。 「今年もバレンタインは手づくりしよっかな」 「毎年毎年よく作るね。私なんかいつも売ってるチョコレートなのに・・・」 僕にとってはバレンタインなんて関係のない話。しかしその話を僕は聞いていた。欝陶しさが自分が貰えない事に対する妬みでしかないと考えていた。  そんなことはわかってこそいるが、僕にはとても我慢できなった。
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