2章 離れていく距離

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《次の日》 俺は今までにない以上、ドキドキして学校に行った。 何しろ、昨日1日であそこまで進展したんだ。 少しは緊張とかしてもおかしくないだろう。 少し前の方を綾が歩いているのが見えた。 「おーい、あ『おはよー真琴』」 声だけで分かる。 これは卓人の事だ。 ………………クソっ、何でコイツはこんな時に邪魔をする! 「お、おはよ……」 なるべく笑顔で返した………のだが、卓人の顔が青ざめていくところを見ると、笑顔がひきつってるみたいだ。 「ど…どーした………真琴? めっちゃ顔、恐いぞ」 「朝から誰かが俺の幸せをぶち壊しやがったんだ。」 そう答えると、青ざめて震えていた卓人が急に元気になった。 「なんだ、そんなことか。 ま、今来たばっかの俺には話がよく分からないから、相談には乗ってあげられないよ」 おまえのせいだこのクソヤロー、と叫びたかったが大人な俺はなんとか我慢した。
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