3章 1つになる時

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「喜べ真琴。鈴木さんと待ち合わせの予定を作ってやったぞ」 満面の笑みで話す卓人。 衝撃的な内容だったからか、イマイチ頭に入らなかった。 「いつ?」 「放課後」 「どこで?」 「屋上」 「誰と?」 「おまえと2人きりだ」 卓人はずっとニヤニヤ……いや、ニコニコと笑っている 「って、そんなもん行けるかよっ!!」 「おいおいおまえさぁ、女の子待たせてるのに約束破って帰ろうとしてないよな?」 卓人のニコニコがいつの間にかニヤニヤにかわっている。 「うっ………お前なぁ」 「真琴、お前も男だろ。覚悟決めろよ」 今だけ卓人の顔からは笑みが消えていた。 こいつがこんな顔をするのは、「超」が2個も3個もつくくらい真面目なときだけだ。 その気迫に押されてしまう。 「だいたい………何でいきなりそうなるんだよ?」 「善は急げ…だろ? 思い切り告白してこいよ」
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