3章 1つになる時

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綾は入学式の日は真琴と普通に話せていたが、その2、3日後………真琴を意識し始めてからは、挨拶するのにも勇気がいった。 何の話かは分からない。 しかし、真琴の顔を見てちゃんと話せるか、それだけが心配だった。 真琴はラーメンを食べ終え、卓人と2人で中庭にいた。 卓人が気持ちを落ち着かせるにはここが1番、と言ったのでついてきたのだ。 「どうだ真琴? あと2時間40分だぞ。 決心はついたのか?」 「うん、はっきりと伝えるよ。 もしフラれたら、慰めろよ」 「考えておいてやるよ」 お前のせいでこうなったのに、何が「考えておく」だっ! ちょっとムカついたけど、中庭の自然を見ていると気持ちが落ち着いてきた。 やっぱり緑には、気持ちを落ち着かせる効果があるっていうのは本当だったんだ。 ………………あれ?青だっけ?
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