3章 1つになる時

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きました、ついにきました、この時が。 あれから、授業は全て終わって今は屋上で綾を待っている。 正直、胸の鼓動の音がハンパじゃありません。 綾は、教室にいた。 卓人に、 「真琴が待ってるって言って、逆に遅れたら可哀想だから、ちょっと教室で待っておいてあげて」 とお願いされたからだ。 「よし」 大分、胸の鼓動の音が聞こえる。 綾は緊張しながら屋上へと続く階段を上りはじめた。 屋上からの眺めは最高だった。 今日は、空一面雲で太陽がでてなくて、さらに風も吹いていて涼しいし、この街は緑が多いから空気もおいしい。 《ガチャ》 屋上のドアが開く音がした。 ふりかえると、綺麗な髪を風で揺らしている綾がいた。 「ごめんね…………呼び出したりなんかして」 これだけの言葉をいうだけで、かなりしんどい。 「全然大丈夫だよ」 そう言って、綾は軽く笑った。
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