第二章 ~興味津々~

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キーンコーンカーンコーーーン 「解答やめ! それでは解答用紙を前へ送ってー」 今日で5日間に亘るテストも終わり。 チャイムと同時にクラスには歓喜の声が溢れる。 「よっしゃー!これで肩の荷が下りたぁ!!」 「でも午後は授業あるらしいよー」 「…まじンガーZ!?」 午前中で帰れると思っていた俺のテンションは、他の連中の会話によってガタ落ちする。 俺は机に突っ伏した。 「信也ぁ…テストどうだったぁ?」 震える声で俺に話しかけてくる涼音。 声だけで結果が分かってしまうのが悲しい。 「…あぁ、いつも通り…」 俺は机に突っ伏したまま答えた。 「ということは満点かぁ…。 なんでそんなに点とれんの?」 「…解けて普通。解けない方がおかしいっつーの…」 気だるい口調でボヤく俺に、頬を膨らまして反論する涼音。 「はぁ!?じゃあ解けなかった私はおかしいってこと!?」 「…お前がおかしいのは問題解く前から分かってんだろ」 グサッ 「あ痛あぁぁ!!!?」 不意に頭部を襲う激痛に、俺は椅子から飛び上がる。 涼音が俺の脳天にシャーペンを突き刺したのだ。 「ばぁか!バカバカバカぁ!」 「バカって、点数比べればどっちがバカか分かるんじゃない?」 「ムキー!!」 涼音の大声に振り向く生徒もいたが、二人のケンカは日常茶飯事。 誰に割って入られることもなく、俺たちのガキみたいなやり取りはしばらく続いた。
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