第三章 ~牧場へ行こう!~

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…ピピピピッ ピピピピッ… 朦朧とした意識の中鳴り響くデジタルタイマーの音。 今日から夏休みだろ…なんでタイマーなんか鳴らしてんだ俺…。 俺は目覚まし時計のスイッチを切ると、そのまま夢の世界へと戻っていった。 ――… ドンドンドン 「信也ー!!いつまで寝てるの!」 部屋の扉をたたく音。 いつも通りに叫ぶ母親。 「ん~…今日から夏休みだよ…」 「何言ってんの! 涼音ちゃんとおじさんが家の外で待ってるわよ!急ぎなさい!」 「は?……あ!!」 そうだ、今日から3日間涼音の伯父さんの牧場に行くんだ。 おっちゃん…確かに『夏休みになったらすぐにでも行こう』って言ってたけど、初日からとか張り切り過ぎでしょ…。 俺は蒲団から飛び出すと着替えと歯磨きだけ済まし、適当に2日分の服をバッグに詰め込んで家の外に出た。 「信也!遅~い!!」 「おはよう信也」 涼音は白い半そでTシャツに半ズボン、普段より薄めの化粧。 おっちゃんも白いポロシャツに半ズボン、麦わら帽子。 二人ともに爽やかな表情で俺を出迎えた。 俺は白いTシャツにジーパン。 ただし寝ぐせ付き。 まだ寝起きの目を擦り、二人に答える。 「おはよ~おっちゃん。うるさい涼音」 「なによ~寝坊したくせに!」 「ははっ。じゃあ行こうか」 いつもより少しだけ声が大きいおっちゃんを先頭に、俺達はバス停に向かって歩き始めた。
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