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フロントに彼女の姿は無く
僕は先程の男性と思われるホテルマンにライン川までのツアーなどがないか聞いた
「これからだとツアーも無いかと思われます、もしよろしければ腕のいいガイドを紹介しますが…いかがなさいましょう?」
「あぁ、頼むよ」
「料金はガイドと直接交渉してください」
「OK」
「10分少々で到着しますので、そちらでお待ちください」
僕はフロントにあるソファーに腰掛けてガイドの到着を待った。
約10分後…
「ハィ!」
そこにはブロンドの彼女が立っていた。
「君がガイド?」
「そうよ、私じゃ不満かしら?」
「いや…そんな事はないけど…」
「じゃあ決まりね、私午前中に仕事が終る時とかにガイドの仕事をさせてもらってるのよ、一応これでもプロだから安心して」
「OK」
僕は彼女とガイド料金の交渉をして彼女の車に乗り込む
車は青のBMW。
少々びっくりしたが、ここでは国産車なのだ。
ライン川までは約二時間、ガイドブックや景色を眺め、たまにスピードを出して横をすり抜ける我が国のスポーツカーを見て興奮したりもした。
「ねぇ、どうして君はガイドをやってるの?ホテルでの仕事だけでも生活できるんじゃないかな?」
「お金が必要だからよ」
「何か…買うとか?」
「いいえ違うわ、私は…まぁいいじゃない、ほら見えてきたわよ!」
僕はつい立ち入った質問をした事に少しバツが悪いと思いながらも、眼前に見えてきた大きな川を見た。
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