3人が本棚に入れています
本棚に追加
ローレライの大岩…
観光バスがならび
様々な人種の人間が物珍しそうにウロウロ歩いている。
「ねぇ、あなたコイン持ってる?」
僕は財布を取り出してコインを確認した
「50セントしかないな」
「じゃあプレゼント」
ブロンドの彼女は僕に1ユーロを差し出した。
「?」
「ついてきて」
彼女に手を引かれ
僕は古ぼけた機械の前に来た。
「ここに50セント、ここに1ユーロを入れるのよ」
言われるがままにコインをセットし、彼女がレバーのような物をグルグルと回す。
チャリン
楕円形のコインが落ちて来た。
なるほど、水族館なんかでよくある記念コインやキーホルダーなのだ。
普通は元のコインをお金で買い、それを印字したり加工するが、この機械はコイン自体を加工してしまう。
基本的にコインは外貨に両替出来ない事を考えると、こうゆう形で残せるのはいいアイディアだと思った。
「ありがとう」
彼女はそっと笑みを浮かべた
「お手洗いはどこかな?」
「ついてきて、私もちょうど行きたかったの」
最初のコメントを投稿しよう!