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トイレから出るが彼女の姿はまだ見えない
ふとライン川の方を見ると
沈みかけた夕日に照らされ
とても美しく見えた
僕は誘われるように足を進める
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歌が聞こえる
黒髪の女性だ
祈るように
川へ向かって
悲鳴が聞こえる
夢の彼女の悲鳴とは違う
男の悲鳴
続けて何かがぶつかる鈍い音
彼女は涙を流しながら川へ身を投げて・・・
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「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
「顔色悪いわよ?」
「悪い顔してるって?」
「違うわよ、顔色が悪いのよ」
「あぁ、ごめん」
「ちょっとまってて」
彼女は売店でコーラを買ってきた。さすが世界のコカコーラ・・・いや感心してる場合じゃない。
「ありがとう」
僕は一気に飲み干すと、まるでビールを飲んだ後のように「プハァー!」と気持ち良い声を出した
「もう大丈夫ね」
「あぁ」
「ねぇ、魔女って信じる?」
「魔女ねぇ・・・」「このライン川は各国間での重要な貿易を担ってたって説明したけど、ローレライ周辺は地形が悪いのよ。もちろん事故も多かった、そしてその事故は魔女や悪魔の類の物と思われたりしたの、セイレーンとも呼ばれるわね」
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