プロローグ

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揺れている。 波のように揺れるカーテンの隙間から、雲の流れと空を見ている。 白衣を来た女性が、答える事のできない僕に話し掛ける。 「ほら、こんなにいい天気ですよ」 彼女はそう言いながらカーテンをあける 「点滴を交換しますね」 馴れた手付きで交換していく彼女は、いつものように帰り際に一度止まり、振り返る。 そして憐れみを帯びた顔で僕を見て、部屋から出ていく。 そう、これが僕の望んだ結末であり、現実。
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