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「ヘイ!」
突然こちらに向けて言葉が発せられた。
明らかに僕に向けている
「djgieut??」
何かを言っているが、それが何を意味する言葉なのかわからない、僕はその言葉を理解しようと試みたが、そもそもドイツ語なんてわからない僕には無理な話だった。
僕は「理解できない言語」に恐怖を覚え、その場から静かに去ってしまおうと、しゃがみ歩きで静かに歩いた。
しかし、向こうも近付いてくる。
僕は意を決して立ち上がり、全速力で走った。
道などわからない、とにかく走った。捕まったら多分殺される。
頭の中に「ひっそりと一人で死んで行く」
そう、当日の嫌な考えが思い浮かんだのだ。
ザッザッザッザッ
大きな影が音を立てて追いかけてくる
殺される
そんなの嫌だ
そんなの嫌だ
そんなの嫌だ
歩いてきた道を戻る。
いや、戻ってるのかわからない。
どれだけ走っただろう
僕は見たことのない民家の前に膝をつき、肩で大きく息をしていた。
大男は巻いたようだ。
しかし、いつどこから出てくるとも限らない。
怖くなって僕は叫んだ。
「あ”-!!ドラえもーん!」
「何してるの?」
ブロンドの彼女だった。
「人の家の前でドラえもんとか聞こえたから、どこの変人かと思ったわよ、さぁ、とにかく入って」
「・・・ありがとう。」
もう変人扱いでも何でもよかった
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