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『どうしたんだい?』
「…。」
彼女は俯いたまま何も喋らない
僕は彼女から話してくれるのをずっと待っていた。
どれぐらい時間がたっただろうか…時計の規則的な音が響く中、小さく彼女が話を始めた。
「姉が…亡くなったの」
『…。』
返事をする事ができなかった。
「次の日、姉さんが首を締められて殺されてるのが発見されたの」
次の日とは、僕と最後にあった翌日を指しているのだろう。
僕は言葉を発する事ができなかった。どんな言葉も慰めも、きっと彼女にはチープに聞こえるだろうと思ったからだ。
そして彼女が僕にゆっくりともたれ掛かってきた
僕はそっと彼女の肩を抱いた。
ずっと、ずっと、何も言わずに
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