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「お呼びでしょうか」
「うわぁ!」
いつの間にか山崎が現れていた。
つかお前人の心読めるのかよ!
「はい、読心術を少々」
だからか。だから唯一窓の開くここを教えなかったのか。
ムカつく。
あたしは山崎を睨んで顔を洗って部屋のイスに座る。
「ホットサンドです」
テーブルには凄く美味しそうなホットサンドでいい匂いの紅茶が用意してあった。
「やっぱうまいっ!!」
「岩木は一流の料理人ですから」
「あ、紅茶も美味しいっ」
「ありがとうございます」
「これ、あんたが煎れたの?」
「茶葉を栽培したのはメイドのユーナですが」
「ふーん。殆どユーナさんのおかげか」
「はい」
山崎は嫌みを言っても顔色を変えない。
「ふぅ。ごちそーさまっ」
時計を見ると8時40分だった。
やばい、遅刻だ……。
あたしは急いで……ってどうやって行くんだろ?
「ねぇ、学校に行きたいんだけど、こっからどう行くの?」
「それは出来ません」
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