始まりはいつも突然

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花粉を我慢しながら卓と二人で坂を上がっていると 「でもさぁ、本当にその不機嫌な顔止めた方が良いよ、アキちゃん」 「なんだよ突然」 「だってさぁ、アキちゃんって、ただでさえ目つき鋭い上に寝癖で髪飛び上がってて柄がすっごく悪いんだからさ、正直かなりの確率で新入生とかビビっちゃうよ」  こいつなりに心配してくれてんだろう、だが 「ふんっ、どうやらお前は花粉の真の恐ろしさを知らんようだな」 「真の恐ろしさって?」 「お前に分かるか!?あの鼻の奥からエンドレスに流れて出て来る鼻水の恐ろしさが! この現象のせいで、いつも小学生の時の授業は羞恥プレイだった!!」 「気にしすぎだよ」 「ハッハッハ、お前はゆーちゃーならん事を言ってしまった。あの鼻をティッシュでかむ音がどれだけ破廉恥な事か」 「いや破廉恥って」
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