219人が本棚に入れています
本棚に追加
雅の慌てる様子が面白かったのでオレはさらに追い込む。
「会っていきなり、『執行の訓により連行します!』だからな」
「あれも初めてで分からず、兄さんに決まり文句だからって言われて騙されて言ったんですよ! あれ以来言ってないじゃないですか!」
恥ずかしいのか、ガーとまくし立てるように弁解してくる。
(なるほど。あの人なら確かにやりそうだ)
しっかし、雅は純だなー。んな嘘に騙されるなんて。 まぁ、部長もそれを分かっててやってんだろうけど。
「お前も結構苦労してんだな」
「何哀れんだような目で見てきてるんですか! ……それに、それは先輩も同じでしょう?」
「あぁ、まあな。 でもその苦労もいよいよ明日で終わりってわけよ」
ん~と背中を伸ばしながら言う。
「…………」
「ん?どうしたんだ雅?」
「あの先輩…」
最初のコメントを投稿しよう!