安芸元 大樹

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 怖かった。凄く痛かった。この理不尽な暴力から逃げ出したかった。  でも僕の口からでた言葉は… 「…ぃやだ、絶対教えない」 「っ! この野郎っ!」 ゴスッゴスッ  近くにいた2人が倒れてる僕に容赦なく蹴りを入れてくる。囲んでる周りの人達が霞んで見えてきた。 (…こんな気持ちに…なれたの……本当に…久しぶりだったんだ)  漫画を描く事に自信が持て無くなった時、ふと思った。 …今までやってきた事は無駄だったんじゃないかって。  そしたら突然、とてつもなく怖くなってきた。だから漫画を描くのを今回限りで止めようと思った。漫画を描く事から逃げ出そうとした。 (そんな時に…) 『君は嘘をついている』 「本当にっ、本当に嬉しかった」
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