<チョコレート>

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「あぁ~。……クッションが腐った」 にやけているケイに、後ろのソファーから足蹴りが飛ぶ。 「……それ、俺もたまに使うんだけど!?」 コータの蹴りにより、ケイはそのままゴロンと転がり、ベッドの角に頭を打った。 こんなシーン見たことあるな。 TVの「爆笑ハプニングシーン(動物編)」のパンダにそっくりだ。 パンダの方が数倍可愛いけどな。 「いってぇぇぇ!! お前ら、親友になにするんだよ~!?」 頭を押さえながら叫ぶケイ。 コータは無視して、再び漫画に目を落とす。 「お前と友人関係になったのがミスだわ」 「へへへ、高校初日から俺の隣になったのが運の尽きだったね!」 そう言うと、笑顔で白い歯を輝かせる。 肌の黒さと、新庄バリの歯の白さ。 やっぱりパンダ。やっぱりミス。 「……はぁ。高校初日に出会った奴にはろくな奴がいねぇよ」 俺はボフンとベッドに倒れこむ。
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