<チョコレート>

11/31
前へ
/41ページ
次へ
「初日に出会った奴~?」 頭をひねり、顎に手を当てたお決まりのポーズで考え込むケイ。 「……あ、メグか!?」 開いた左手に握った右手をポンと当てた、またしてもお決まりのポーズ。 ボキャブラリのない奴だ… そう思いながら、俺は無言で返す。 「……え? 違うの?」 「……さぁね」 俺の代わりにコータがつぶやく。 キョトンとしているケイは、慌ててコータに顔を向ける。 「……俺、なんかまずいこと言った?」 「……俺に聞くな!」 「ねぇねぇ!!」 子供のようなケイを流し続けるコータ。 そんな二人を横目に、俺は板チョコに手を伸ばす。 二人の声が遠く聞こえる。 俺の耳に響くのはチョコをかじる音だけ。 パキ…パキ…
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加