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……キーンコーンカーンコーン
学校全体が一日の終了を響かせる。
俺の好きな音ベストスリーには入る、素晴らしい音だ。
「やぁ~っと終わったぁ!」
横の席から高々と咆哮が響く。
俺達は入学式も終わり、教室に戻ってきた。
後はホームルームみたいなことして帰宅。
あぁ、やっとだるいのが終わる。
周りからは、お見合いみたいな会話ばっかり聞こえる。
「OOちゃんは……?」「OO君は……?」
初日のこのぎこちなさってなんか好きなんだよなぁ。
なんかワクワクする。
ってことで、横の大男とお見合いしてみることにした。
「……だなぁ。佐川君は入学式好き?
俺は嫌いなんよね~。行く意味なくない?」
佐川とは隣の大男の名前だ。お互い顔見知りはしないらしく、スムーズにお見合いは進んでいる。
入学式についての話になったわけだが、ただありがたいお言葉を聞くだけのために長い時間座ってる。
こんなの小学校・中学校とやってきたわけだから意味ないだろ。
苦笑いを浮かべる俺に、彼は真面目な顔で返す。
「そんなことないよ~。学校の全てに意味があるのさ!」
俺はポカンとしてしまう。
「やっと終わった」と言ってたくせに?
遅刻してきたくせに?
説得力皆無だ。
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