<チョコレート>

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「ははは! 遅刻してきた佐川君に言われても説得力ないよ!」 苦く笑う俺の顔とは対照的に、佐川は満面の笑みを浮かべる。 「それはそれ! これはこれ! はは! あ、ってかレオって呼んでよ! 苗字じゃよそよそしいじゃん?」 …… 説得力の話を流したのは、まぁよしとする。 うん、下の名前で呼ぶのも納得出来る。 ……出来る。……出来るんだけど、「レオ」ってあんた。 大容量のデータを一気に詰め込んだPCのような俺を無視して、佐川…もといレオは話し続ける。 「俺も下の名前で呼ぶね! えぇっと…」 マイペースな奴だ。勝手に話が進んでいく。 俺は小さな溜息をついた。 「……明(あきら)だよ。」 レオはニカっと笑うと親指を突き出しこう言った。 「OK!! よろしくね! あきらぁ!」 これが「レオ」との出会いだった。 これが高校初日の出会いパート1… パート1があるってことは2もあるわけで…
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