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「コンパス」のマニュアル通りのＨＲが終わった。
周りでは、各々が自由に行動し始めている。
帰宅準備でさっさと帰る奴もいれば、新しい友人とのｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝを楽しんでる奴もいた。
……レオは確実に後者だろうな。
そう思い、横を見ると帰宅準備を終え席から立ち上がるレオが見える。
「……あれ？ レオ帰っちゃうの！？」
「え？ あぁ、ちょっと行くところがあってね！ じゃあ、また明日ね～！！」
手のひらをこちらに向けると、そのまま颯爽と教室から出て行った。
「……ちゃ～お～」
レオの予想外な行動に面を食らった。
恋人に置いてけぼりにされた気分だ。
まぁ、今まで付き合ったことなんてないんだけどね。
手をヒラヒラ振る俺の周りでは、お見合い成功者多数。
婚期を逃した。今更他の輪には入りづらい。
ワイワイ賑わう教室を背に、俺は駐輪場に向かった。
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