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初日とは違い、皆各々でしゃべっている。
相変わらず、俺の左隣りは不在。
っていうか、俺を囲む席はみんな出払ってるし。
一人ポツンと座るのがどんだけ寂しかったか。
……初日で妥協した俺が悪いのか。
まぁ、それはいいや。
寂しい俺は、コンパスが来るまでのんびり仮眠しようと突っ伏した。
腕で枕を作り、頭をベストポジションに置いた……その時。
俺の目の前をヒラヒラのスカートと共にそよ風が通った。
後ろでは、椅子を引き人の座る気配。
……
……鼓動が速くなる。
脈打つ心臓は、血液と共に心地よい熱を体全体に運ぶ。
顔が熱い。閉じていたはずの瞼は、何かを求めるように開いた。
……あの匂いだ。
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